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花暦句会報:東陽(平成30年8月25日)

東陽句会(江東区産業会館)
席題「処暑」「音」

高点5句
黄昏を音に変へたる河鹿笛      山本  潔
登り来て音無き世界旱星       斎田 文子
新涼や古き鏡に背を正す       貝塚 光子
被災地の中天潤む赤い月       長澤 充子
入れ替えて濃き茶一服処暑の朝    安住 正子

扇風機昭和の音を立ててをり     山本  潔
霧来れば霧の粧ひ山衣        斎田 文子
引き波に小石ころがる音涼し     長澤 充子
花梯梧遠き昭和の火の記憶      飯田 誠子
秋薔薇柩の姉はオフェリア      浅野 照子
草の花愛しむ老いを諾へり      岡戸 良一
処暑の日の良寛の海波高く      堤  靖子
駅頭は一会の別れ雁の頃       新井 洋子
うら若き縄文土偶夜の桃       貝塚 光子
水琴窟の音の間遠や秋の昼      安住 正子
一片の雲寄せつけず処暑の山     野村えつ子

(清記順)

一口鑑賞登り来て音無き世界旱星」〜文子さんの句。酷暑を逃れて高原の温泉地へ行った際の景という。席題「音」でとっさに詠んだ一句。皆、どんな音を詠もうかと苦吟する中、発想を変えて「音なき世界」という措辞を思いついたところがお手柄。「旱星」は夜空に赤みを帯びて輝く星。この夏は火星が地球に最接近した。静寂の中で観る旱星に一体何を思ったのだろう。「一片の雲寄せつけず処暑の山」〜えつ子さんの句。もう一つの席題「処暑」の句。立秋後15日目の8月23日頃になると暑さがやむ。今年の暑さはなかなか収まりそうにないが、「処暑」の声を聞けば、空も山も次第に秋の装いを始める。「一片の雲」はまだ夏の雲だろうか。それを決して寄せつけようとしない山を「処暑の山」と見て取った。季題をしっかり押さえて詠んだ一句。(潔)
 [ 2018/08/26 09:21 ]  俳句 | TB(0) | コメント(0)
プロフィール

花暦

Author:花暦
『花暦』俳句会のWeb版。
師系・舘岡沙緻、富安風生、岸風三樓。
「人と自然の内に有季定型、写生第一、個性を詠う」をモットーに活動しています。

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