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花暦句会報:若草(平成29年9月9日)

若草句会(俳句文学館)
兼題「木槿」、席題「久」

高点5句 
悠久の闇より抜けて鹿の声      針谷 栄子
点と点線と点なす吾亦紅       廣田 健二
花木槿すげなく夕日拒みけり     坪井 信子
猫じやらし毟つて投げて反抗期    岡崎由美子
北上川の太き流れや野分晴      飯田 誠子

久々の顔を揃へて菊の酒       岡戸 良一
円周率永久に川風爽やかに      坪井 信子
「寝坊するなよ」ラジオ体操花木槿  飯田 誠子
松手入一枝一葉松に聴き       新井 洋子
忘れものばかりしてをり爽やかに   加藤 弥子
底紅や使ひかけなる亡母の口紅(べに)針谷 栄子
鳴くのなら一つにしてよ庭の虫    石田 政江
風鎮のことりと壁に涼新た      岡崎由美子
この街が今はふるさと木槿咲く    市原 久義
勝ち誇る姿ゆるがず鶏頭花      廣田 健二
立ち食ひの旅のかけそば花木槿    山本  潔

                      (清記順)

一口鑑賞円周率永久に川風爽やかに」…信子さんの句。「円周率永久(とわ)に」「川風爽やかに」を並列した句として解釈してみたい。二つに分けると「永久に」「爽やかに」で脚韻を踏む格好になる。しかも後半は「川風」「爽やか」の中に「a」の母音が連続し、この句をリズミカルにしている。円周率は永遠であり、しかも循環しない。そんなことをあれこれ考えていたとき、川風に秋の清々しさを感じたのである。「円周率」の数字が「川風」に乗っている映像を思い描いてみよう。それは「永久に」「爽やかに」流れていく数字なのだ。こんな句が詠めれば、秋が楽しくなってくるに違いない。(潔)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。
師系:舘岡沙緻、岸風三樓、富安風生。
『花暦』は2019年夏季号で終刊。後継誌『艸(そう)』(2020年1月創刊)として再出発します。「艸」は「草」の本字であり、くさかんむりの原形です。二本の草が並んで生えているさまを描いた文字で、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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