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花暦句会報:連雀(平成30年3月7日)

連雀句会(三鷹駅前コミュニティセンター)
兼題「桃の花」

高点2句
庭中の梅咲くころか兜太亡き   坪井 信子
けふよりは後期高齢桃の花    中島 節子

友失せてぼやく米寿の君に春   根本 莫生
鳥曇身辺整理捗らず       束田 央枝
湾は春ヨットの動き遅々として  春川 園子
春眠の瞼に雨を聞いてをり    加藤 弥子
春愁や帰宅の椅子に背凭れて   中島 節子
駄菓子屋の店守る媼つばめ来る  田村 君枝
高みより甲斐の里曲の桃の花   進藤 龍子
夫の残せし本の赤線夜半の春   横山 靖子
塀の隙より蒲公英の黄の力    田崎 悦子
菜の花の黄が吹きとばす愁ひかな 坪井 信子
若き母を泣かせし記憶桃の花   岡崎由美子
江の電の大曲りして軒に春    向田 紀子
どの家も桃を咲かせる桃の里   飯田 誠子
水車まはる小川に続く蜷の道   松成 英子

(清記順)

一口鑑賞庭中の梅咲くころか兜太亡き」〜信子さんの句。2月20日に死去した金子兜太への追悼句。兜太の代表句「梅咲いて庭中に青鮫が来ている」を踏まえたのは明らか。「庭中の梅」という措辞は抑制が効いている。たったそれだけで読み手の目に「青鮫」が浮かぶのは、兜太の句の喚起力が強いからだろう。伝統、革新の違いを超えて、多くの俳人が兜太の死を悼んでいる。「湾は春ヨットの動き遅々として」〜園子さんの句。動いているのか、止まっているのか分からないヨットを眺めている。ヨットは夏の季語だが、上五で「湾は春」と言い切っており、季が重なった感じはない。むしろ、春のきらきらとした湾に浮かぶヨットの感じを、下五の「遅々として」で上手く言い表している。(潔)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。師系:舘岡沙緻、岸風三樓、富安風生。
『艸』は2019年夏季号で終刊となった『花暦』の後継誌です。2020年1月に季刊誌として創刊します。「艸」は「草」の本字であり、くさかんむりの原形です。二本の草が並んで生えているさまを描いた文字で、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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