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花暦句会報:連雀(平成30年10月3日)

連雀句会(三鷹駅前コミュニティセンター)
兼題「茸」

高点2句
すでに沙緻つひに眸も逝き九月   中島 節子
逆縁や丈の短かき曼珠沙華     向田 紀子

いそいそと父の背の籠茸狩     束田 央枝
ちちろ鳴く庭に立ちゐる夫小さし  田村 君枝
月を得て切り絵のごとし大欅    向田 紀子
紅茸を生やすは魔女か毒盛つて   春川 園子
歩をゆるめ秋七草を諳んずる    飯田 誠子
倒木をくぐる秋水山毛欅林     進藤 龍子
臥待ちの窓辺に亡母の文机     岡崎由美子
新雑誌「兜太」お目見得秋高し   根本 莫生
教会は文化遺産に浦の月      坪井 信子
柚の香やひとりのための厨ごと   加藤 弥子
露草の吹かれて瑠璃をこぼしけり  田崎 悦子
御社の龍の呼びしか秋の雷     松成 英子
松茸の前見るだけの客となり    中島 節子

(清記順)

一口鑑賞すでに沙緻つひに眸も逝き九月」〜節子さんの句。少し説明が必要だろう。沙緻(舘岡沙緻)と眸(岡本眸)はともに富安風生、岸風三樓に俳句を学んだ。眸が昭和55年に『朝』を創刊すると、沙緻もこれに参加。「俳句は日記」を信条とし、日常の中から詩の言葉を掬い上げた。沙緻は平成10年に『花暦』を創刊。それぞれの道を歩むことになった二人の句には「不屈な精神」を共通点として見いだすことができる。沙緻は平成28年5月1日、85歳で死去。眸は今年9月15日に亡くなった。享年90歳。揚句は、そんな二人への親しみを抱きつつ、哀悼の意が込められている。「秋風や柱拭くとき柱見て」「秋深き音生むために歩き出す」は眸の句。この秋は多くの人に愛誦されているはずだ。しみじみと。合掌。(潔)
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プロフィール

艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。
師系:舘岡沙緻、岸風三樓、富安風生。
『花暦』は2019年夏季号で終刊。後継誌『艸(そう)』(2020年1月創刊)として再出発します。「艸」は「草」の本字であり、くさかんむりの原形です。二本の草が並んで生えているさまを描いた文字で、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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