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花暦句会報:すみだ(平成31年2月27日)

すみだ句会(すみだ産業会館)

高点4句
和三盆舌にとけゆく雨水かな   貝塚 光子
水辺りの杭のちぐはぐ鳥の恋   加藤 弥子
些かの愁ひ残して二月尽     岡戸 良一
膝に抱く老猫恋を知らぬまま   長澤 充子

古民家の座敷いつぱい吊し雛   長澤 充子
椿落つる音のかすかや人恋し   加藤 弥子
春寒や鏝絵の白狐眼の険し    岡戸 良一
すれちがふ舞妓の簪春を告ぐ   大浦 弘子
野球場にひびく喚声春夕焼    桑原さかえ
梅咲くや晩学の座の一人欠け   工藤 綾子
古草や川辺に国威宣揚碑     岡崎由美子
宵明り白梅うるむ切通し     貝塚 光子
鱗片を脱ぎし辛夷をほどく風   高橋 郁子

(清記順)

一口鑑賞些かの愁ひ残して二月尽」~良一さんの句。何となく1月は長く感じられたのに、2月はあっという間に過ぎてしまう。もちろん日数が少ないこともあるが、年度末を控えて慌しさが増してくるからだろうか。月初めに立春があり、まだ寒さは厳しい中にも、木の芽が吹き、梅が咲き、日も長くなり、街並みも徐々に春めいてくる。本来なら「二月尽」という季語には少しほっとした気分が込められているのだが、この句には「何だか心が晴れないまま2月が終わったなあ」という、ちょっと不安な感じが漂っている。「野球場にひびく喚声春夕焼」〜さかえさんの句。ナイターシーズンにはまだ早いが、春の夕暮れ時の野球場に歓声が響いたのである。寒さが和らぎ、「春夕焼」には少しホッとしたような柔らかさが感じられる。(潔)
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プロフィール

艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。
師系:舘岡沙緻、岸風三樓、富安風生。
『花暦』は2019年夏季号で終刊。後継誌『艸(そう)』(2020年1月創刊)として再出発します。「艸」は「草」の本字であり、くさかんむりの原形です。二本の草が並んで生えているさまを描いた文字で、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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