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花暦句会報:連雀(平成31年3月6日)

連雀句会(三鷹駅前コミュニティセンター)
兼題「桃の花」

高点3句
母在ればこそのふるさと桃の花  中島 節子
花桃やいい子いい子と嬰あやす  加藤 弥子
啓蟄や昭和レトロのトースター  松成 英子

 進藤龍子様見舞
術後良き友の笑顔よ春セーター  加藤 弥子
吾の為と亡夫植えし梅咲きあふれ 束田 央枝
いよよ娘も老眼鏡や桃の花    春川 園子
また一つ消ゆる町屋や臥竜梅   飯田 誠子
一筆の眼(まなこ)に命こけし雛 田崎 悦子
八十路などまだ青春よ花菜風   横山 靖子
万蕾のほぐるる兆し梅の郷    矢野くにこ
癖つ毛の名残りを束ね雛の前   向田 紀子
炉の名残り石段ぬらす細き雨   松成 英子
中年の男来てゐる雛の店     中島 節子
耳掻きのこけし退屈桃の花    坪井 信子

(清記順)

一口鑑賞八十路などまだ青春よ花菜風」~靖子さんの句。菜の花が一面に咲いている光景は何とも心地が良いものだ。目の前に広がる黄と緑の明るい色はいかにも早春らしい。そよ風も吹いて「八十歳なんてまだ青春のうちよ」と言葉が口を衝いて出たのだろう。中七の「まだ青春よ」が何とも潔い。「菜の花の昼はたのしき事多し」は長谷川かな女の句。古来、菜の花は自生しており、江戸時代には菜種油の灯明が広まった。現在はほとんど西洋種に取って変わられたという。「癖つ毛の名残りを束ね雛の前」〜紀子さんの句。髪を束ねて雛の前に座っているのは作者自身だろう。かつては癖毛だったのが、年を重ねるうちに変化したのである。若かりし頃を回想しながら、髪の毛のことにふと思い至ったのかもしれない。「雛の前」という詠み方が巧みだ。そこには時空を超えてさまざまな「わたし」がいる。(潔)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。
師系:舘岡沙緻、岸風三樓、富安風生。
『花暦』は2019年夏季号で終刊。後継誌『艸(そう)』(2020年1月創刊)として再出発します。「艸」は「草」の本字であり、くさかんむりの原形です。二本の草が並んで生えているさまを描いた文字で、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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