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花暦句会報:すみだ(平成31年3月27日)

すみだ句会(すみだ産業会館)

高点2句
たんぽぽや何を訊いても頷く子   岡崎由美子
蘖や鉄扉重たき旧校舎       加藤 弥子

晩学の径に迷へり亀鳴けり     岡戸 良一
春愁の顔閉じ込めるコンパクト   加藤 弥子
いざやいざ蕾一斉花準備      大浦 弘子
大内の若葉の風に雅楽の音     高橋 郁子
草餅や記憶異なる姉妹       貝塚 光子
人とゐて一人の刻の桜かな     工藤 綾子
朧夜の庵の小窓灯りけり      長澤 充子
春愁や耳朶に馴染まぬイヤリング  岡崎由美子

(清記順)

一口鑑賞春愁の顔閉じ込めるコンパクト」〜弥子さんの句。「春愁」は春の物憂い気分。秋の「秋思」が思索的な深さを伴うのに対し、春ならではの甘美な気だるさといった感覚だろうか。この句がユニークなのは「春愁の顔」を「コンパクト」に閉じ込めるという発想だ。そうすることによって春の哀感を潔く断ち切ったのである。「秋思」ではこうはゆくまい。季語への理解があってこその一句。「春愁や耳朶に馴染まぬイヤリング」〜由美子さんの句も季語は動かない。弥子さんの句と異なる点は、「春愁」を身体感覚で捉えているところだろう。春という生命感あふれる季節に、わけもなく感じる物悲しさ。これを耳朶を通じて表現したのである。金属製の小さく軽いイヤリングが馴染まないという繊細な感覚が面白い。(潔)
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プロフィール

艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。
師系:舘岡沙緻、岸風三樓、富安風生。
『花暦』は2019年夏季号で終刊。後継誌『艸(そう)』(2020年1月創刊)として再出発します。「艸」は「草」の本字であり、くさかんむりの原形です。二本の草が並んで生えているさまを描いた文字で、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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