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艸句会報:若草(令和元年9月14日)

若草句会(俳句文学館)
兼題「蟷螂」、席題「六」

高点3句
教科書は六号活字夜学の灯      松本ゆうき
かまきりの振り向きざまの目のみどり 新井 洋子
おほらかにずれてカラオケ敬老日   安住 正子

面倒くさいをとことをんないぼむしり 松本ゆうき
月今宵六波羅蜜寺の闇照らす     岡戸 良一
かまきりの天に許しを乞ふ姿     新井 洋子
直立の尾花が囲む六地蔵       小泉 裕子
被災地の一戸一戸に今日の月     針谷 栄子
秋の雲アンモナイトになるつもり   坪井 信子
家訓として握るおむすび颱風来    飯田 誠子
十六夜の五句出し六句選の句座    山本  潔
秋風やわが庭に干す笊と樽      石田 政江
大白桃のうぶ毛の彼方山河あり    加藤 弥子
露の玉散るや八雲の住居跡      沢渡  梢
ワイパーに縋る蟷螂見得を切る    市原 久義
登校子につかまつてゐる子蟷螂    安住 正子

(清記順) 

一口鑑賞教科書は六号活字夜学の灯」〜ゆうきさんの句。席題「六」から発想した教科書の「六号活字」にリアリティーがある。秋の季語「夜学」も効いている。文字のサイズは「号」や「ポイント」などで規定される。活版印刷の時代には「号」も使われ、大きい順に初号、1〜8号だった。かつて日本の公文書は5号と定められており、現代のパソコンのワープロソフト「Word」では10.5ポイントに当たる。ちなみに「六号活字」はほぼ8ポイント。「Word」では最も小さい。「家訓として握るおむすび颱風来」〜誠子さんの句。台風が来るのを前に、せっせとおむすびを握っているのである。それだけのことなのだが、「家訓として」の一言で、この句は奥行きが広がる。雨戸を閉めたり、懐中電灯や水を用意したり、いろいろ防災対策を施していく中で、最も重要なのは食料の確保。おむすびがあるだけで、不安な気持ちもなぜか落ち着くから不思議だ。近年、日本列島は大きな自然災害があちこちで起きている。危機管理の面でも「家訓」には意義があったのかもしれない。(潔)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。師系:舘岡沙緻、岸風三樓、富安風生。
『艸』は2019年夏季号で終刊となった『花暦』の後継誌です。2020年1月に季刊誌として創刊します。「艸」は「草」の本字であり、くさかんむりの原形です。二本の草が並んで生えているさまを描いた文字で、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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