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艸句会報:すみだ(令和2年1月22日)

すみだ句会(すみだ産業会館)
兼題「寒」一切

高点2句
今生きることに生きると氷柱伸ぶ   工藤 綾子
あかときの殊に呼び合ふ寒鴉     山本  潔

久女忌の文を焼きたる火の青き    山本  潔
日溜りや川原に弾む寒鴉       長澤 充子
八十路なる命の重さごまめ嚙む    髙橋 郁子
大寒や鉢をはみだす五葉松      福岡 弘子
大きめの焼芋選び掌につつむ     桑原さかえ
夢一つ叶ふが夢よ明の春       工藤 綾子
リハビリの散歩に夫と冬日向     貝塚 光子
冬銀河小さき吾にできること     松本ゆうき
蒼穹と大地のあはひ冬木の芽     岡戸 林風
年末の帰省みやげに「艸」も入れ   大浦 弘子

(清記順)

【一口鑑賞】今生きることに生きると氷柱伸ぶ」綾子さんの句。雪国では氷柱が軒下の地面に届くくらいに伸びているのは珍しくない。根本の太さとは対照的に、先端が細く尖っている様子は恐ろしささえ感じる。関東では日光や秩父などで氷柱が観光スポットになっているところもある。今年は暖冬でなかなか氷柱が育たないらしい。この句は「生きることに生きる」という措辞によって、氷柱の伸びていく様子と自らの生への執着を重ね合わせた。「蒼穹と大地のあはひ冬木の芽」林風さんの句。よく晴れた日の冬木の芽はまさにこんな感じだ。落葉樹の枝に芽が膨らんでいるのを見るとホッとする。この句は、動詞はもちろんのこと、余計な言葉を使わず、「あはい(間)」によって冬芽と天地の関係を巧みに描写した。(潔)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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