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艸句会報:連雀(令和2年12月4日)

連雀句会(三鷹駅前コミュニティセンター)
兼題「笑」

高点3句
冬ぬくし遺影の母の片笑窪      安住 正子
マンホールの蓋はアートよ町師走   坪井 信子
舟唄の声のかすれや木の葉髪     山本  潔

木枯によろけて独り笑ひかな     飯田 誠子
徳俵とはまこと福の名大相撲     坪井 信子
参道の雲母の光る冬日和       進藤 龍子
冬満月この世更けゆき透明に     横山 靖子
山茶花笑むわが通院の往復に     春川 園子
母さんの作り笑ひや竈猫       山本  潔
日向ぼこ忘れ上手な齢となり     安住 正子
ひょっとこにどっと笑って里神楽   松成 英子
川筋を真一文字や冬の鷺       松本ゆうき
思ひ出し笑ひ笑はれ落葉道      中島 節子
冬靄に浮島かとも遠赤城山      向田 紀子
風に乗るカリヨンの音や冬薔薇    矢野くにこ
五十年の硯の重く漱石忌       束田 央枝

(清記順)

【一口鑑賞】「冬ぬくし遺影の母の片笑窪」正子さんの句。今回の兼題「笑」は「笑い」そのものから離れて発想するのはなかなか難しい言葉。作者は若くして亡くなった母親の遺影に「笑い」を見つけた。片笑窪のお母さんはチャーミングな表情をしているのだろう。「冬ぬくし」に作者の気持ちが表れている。
 「木枯によろけて独り笑ひかな」誠子さんの句。寒い日に着膨れて買い物に出かけた作者。木枯の吹き荒ぶなか、信号待ちをしていたのかもしれない。強風にあおられてよろけてしまった。周りを気にしながら、思わず独り笑いをしている作者の姿が目に浮かぶ。「思ひ出し笑ひ笑はれ落葉道」節子さんは実際に誰かに笑われてしまったことを詠んだ。いったい何を思い出したのだろう。いずれの句も笑いをやや自虐的に捉えて楽しい句になった。
 「風に乗るカリヨンの音や冬薔薇」くにこさんの句。カリヨンは複数の鐘を組み合わせて音楽を奏でる。もともとはフランドル地方(ベルギー、オランダ)の伝統楽器で、14世紀ごろから教会や鐘楼に設置されるようになった。この句を一読して神代植物公園のカリヨンを思った。薔薇園前の広場に設置されており、季節に合った曲を演奏する。今なら冬薔薇がじっとその音を聴いている。(潔)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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