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艸句会報:東陽(令和3年3月)

東陽通信句会

高点1句
青銅の鶴の嘴より春の水      安住 正子

桃の花活けて傘寿の祝ひ酒     長澤 充子
息つぎて上るきざはし翁草     岡戸 林風
土塊の固さに残る余寒かな     安住 正子
三月十日褐色こゆき亡姉の文    中川 照子
河川敷の少年野球風光る      野村えつ子
囀りや保育所に干すズック靴    中島 節子
丁寧に独活の胡麻和え母偲ぶ    貝塚 光子
水滴の真珠めきたる春の草     斎田 文子
春灯外してなにも無き部屋に    山本  潔
春疾風四十五度に傘をさす     松本ゆうき
身じろがぬ鷺に人寄る遅日かな   堤 やすこ
花大根一行のみの母の文      飯田 誠子
針孔に糸すんなり通りうららけし  新井 洋子
スマホ繰る指ふしくれて万愚節   向田 紀子
いちやうに老いしはらから亀鳴けり 岡崎由美子

(清記順)

 【一口鑑賞】青銅の鶴の嘴より春の水」正子さんの句。ブロンズの鶴像が水を吹き上げる噴水といえば、都内では日比谷公園の霞が関側にある池が思い浮かぶ。国内の公園では3番目に古い噴水という。そんな鶴像の嘴から噴き出ている水の音がいかにも春めいて感じられたのだ。下五に置いた「春の水」が情景を浮き立たせる。「花大根一行のみの母の文」誠子さんの句。大根は4月ごろに白または淡い紫の4弁の十字状の花をつける。菜の花のような明るさはないが、ひっそりと素朴な雰囲気を醸し出している。「一行のみの母の文」とは一体何が書かれていたのだろう。何にせよ「花大根」との取り合わせでお母様の素朴な人柄を思わせる一句。(潔)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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