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艸句会報:連雀(令和3年4月7日)

連雀句会(三鷹駅前コミュニティセンター)
兼題「野」

高点1句
鶏啼けば牛が応へて金鳳花       安住 正子

「はるひ野」はわが町の名や芽吹き急  春川 園子
物言はぬ母と道行く朧月        渕野 宏子
コーヒーの一口にがく花疲れ      飯田 誠子
三椏の花や五階に移民局        松成 英子
屋敷畑の畝の曲りを耕しぬ       進藤 龍子
野あそびへ誘い上手の日和かな     安住 正子
杉菜すぎな森鴎外の墓どころ      坪井 信子
ピアノ売る決心鈍り菜種梅雨      向田 紀子
木の瘤も小耳立てをり四月馬鹿     矢野くにこ
差し伸べし手より水面へ落花かな    中島 節子
野方図に賑はふ街や放哉忌       山本  潔
野阜を薄く化粧す山桜         束田 央枝
春陰や擬似餌の白き鳥の羽       岡崎由美子
悲しみを秘むる渚や海は春       横山 靖子
ちるさくらちるさくらちるさくらちる  松本ゆうき

(清記順)

【一口鑑賞】「物言はぬ母と道行く朧月」宏子さんの句。もともと寡黙なお母様なのかもしれない。その夜は、一段と無口だったのだろう。話したいことはあるはずなのだが、一向に話しかけてくる様子はない。自分から話しかけようにも、どう切りだそうか…。母と娘の微妙な感情の揺れを朧月の夜が包む。「野阜を薄く化粧す山桜」央枝さんの句。日ごろの散歩コースで見かけた景を兼題「野」で詠んだ。「野阜(づかさ)」は野原の中で塚のように小高くなっているところ。山桜の花びらが散って小高い丘をうっすらと染め、息を呑むような美しさだったのだろう。万葉集には<あしひきの山谷越えて野づかさに今は鳴くらむうぐひすの声 赤人>がある。いかにも春らしい。(潔)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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