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艸句会報:すみだ(令和3年6月23日)

すみだ句会(すみだ産業会館)

高点1句
逃げ足の速き蜥蜴の振り向きぬ    工藤 綾子

卯月波落魄のごと酒を断つ      松本ゆうき
保育児の縄電車行く立葵       貝塚 光子
川縁の小舟朽ちかけ片白草      長澤 充子
石垣のすきま夏草攻めのぼる     髙橋 郁子
花菖蒲雨のしづくの光り合ふ     内藤和香子
水音の誘ふ闇や初螢         福岡 弘子
白南風の空を狭めて副都心      岡戸 林風
生菓子の花の形や新茶汲む      工藤 綾子
校庭のソーラン節や梅雨の蝶     大浦 弘子
睡蓮にほどよき距離のありにけり   山本  潔

(清記順)

【一口鑑賞】逃げ足の速き蜥蜴の振り向きぬ」綾子さんの句。蜥蜴は夏の季語。俳句好きでも実際に遭遇すると悲鳴を上げる人もいるが、作者は蜥蜴であろうと蛇であろうと、決して物おじしないという。しめたとばかりに観察するそうだ。この句は、人間の気配を察知した蜥蜴が逃げる様子を見ているうちに、一瞬止まって振り向く姿に愛嬌を感じたのだろう。あくなき探究心によって物にした一句。「卯月波落魄のごと酒を断つ」ゆうきさんの句。「落魄(らくはく)」はおちぶれること。同じ酒好きとしては、呑めなくなることは落魄に等しいという気持ちはよくわかる。実際にはしばらくお酒を控えただけらしいが、白波の立ち騒ぐ様子を連想させる「卯月波」によって心象的な一句に仕上がった。(潔)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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