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艸句会報:すみだ(令和3年9月22日)

すみだ句会(すみだ産業会館)
兼題「貝」

高点2句
秋涛や耳に当てたる虚貝        岡戸 林風
焼貝の匂ふ浜辺や秋夕べ        貝塚 光子

秋暑し老境まさに知る鏡        福岡 弘子
ひとりゐの話し相手や種瓢       山本  潔
見上げては空を広げて松手入れ     工藤 綾子
サラダ付きランチつんつん貝割菜    岡崎由美子
母の忌の十六夜の月吾妻橋       貝塚 光子
不貞寝するベンチの猫や柳散る     大浦 弘子
澄む秋や船影消ゆる水平線       長澤 充子
「ジュテーム」と小貝ささめく月こよひ 松本ゆうき
蟷螂や祈るかたちを窓際に       岡戸 林風
道草も学びの一つ猫じやらし      内藤和香子

(清記順)

【一口鑑賞】秋涛や耳に当てたる虚貝」林風さんの句。人はどんなときに空の貝殻を耳に当てるのだろう。波音のように聴こえるのは貝殻と耳の隙間に入ってくるノイズらしい。この句は、上五の「秋涛や」によって人影のない寂しい海辺の情景が浮かび上がる。さらには下五に置いた「虚貝(うつせがい)」が虚しさを呼び起こす。貝殻から聴こえる波音に作者は己れの人生を重ね合わせているのかもしれない。詩的な一句。「不貞寝するベンチの猫や柳散る」大浦弘子さんの句。この句は野良猫が主人公。舞台は中秋の頃の公園のベンチ。黄ばみ始めた柳の葉が辺りに散っている。猫がふてくされているように見えるのは作者の気持ちが投影されているからだろう。あと1カ月もすれば野良猫に厳しい冬がやってくる。(潔)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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