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艸句会報:すみだ(令和3年10月27日)

すみだ句会(すみだ産業会館)
兼題「和」

高点1句
蔓引けばなほ遠ざかる烏瓜

蛇笏忌や三和土の店に酌む地酒    大浦 弘子
むさし野の銀鼠のそら雁渡る     松本ゆうき
黒文字も箸も手製や走り蕎麦     福岡 弘子
棟上げの槌音高く秋日和       工藤 綾子
思ひ切り捨てて身軽や秋の空     長澤 充子
黄落や古都の通史と資料集      山本  潔
朱印帳めくるひととき秋惜しむ    内藤和香子
老杉の長き参道秋湿り        髙橋 郁子
暮近き園の小径の酔芙蓉       貝塚 光子
行く秋の波のあはひの静寂かな    岡崎由美子

(清記順)

【一口鑑賞】蔓引けばなほ遠ざかる烏瓜」。この日の高点句。「烏瓜」は晩秋になると、周りの草や木が枯れ始めているなかで、卵型の実が熟れて朱色になりぶらさがっている。この実を取ろうと手を伸ばして蔓を引っ張ったところ、反動でさらに遠くへ行ってしまったのだ。はぐらかされたような作者の虚ろな気分が伝わってくることから点を集めた。しかし、残念ながらこの句には<つる引けば遥かに遠しからす瓜>という先行句がある。詠んだのは江戸後期の絵師で俳人の酒井抱一。高点句とはいえ、こうした先行句がある場合は類想句として取り下げるのが先人への礼儀だろう。作者もいさぎよく応じてくれた。(潔)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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