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艸句会報:すみだ(令和3年11月24日)

すみだ句会(すみだ産業会館)
兼題「立」

高点1句
筆立てに朱のボールペン一葉忌    岡戸 林風

石垣の隅にぽつりと返り花      長澤 充子
老いて知る最後はひとり冬すみれ   大浦 弘子
しぐるるや里子に出した犬のこと   川原 美春
「のぼるな」と火の見櫓の残る町   髙橋 郁子
掌に温き今日の湯呑みや冬初め    矢島 捷幸
おてんばのガッツポーズや七五三   貝塚 光子
汐風の届く葬りや帰り花       岡戸 林風
降り立ちてより日本の鶴となる    工藤 綾子
立ち揃ふ枯れ蘆に沿ひ水の音     岡崎由美子
すつきりと立教大の聖樹の灯     山本  潔
出会ふとは別るることよ冬銀河    福岡 弘子
見てくれの変はらぬものに千歳飴   内藤和香子
立ち話短日の陽に急かされて     山本 吉徳
自分史を書いてみやうか六花舞ふ   三宅のり子
満ち欠けの天体ショーや冬の月    松本ゆうき

(清記順)

【一口鑑賞】筆立てに朱のボールペン一葉忌」林風さんの題詠。樋口一葉は明治29年11月23日、24歳の若さでこの世を去った。当時、まだボールペンはなく、一葉は筆と墨で書いていた。この句の「朱のボールペン」は一葉と直接的な関係は何もないが、原稿やゲラが思い浮かぶ。作者は筆立てを見ながら「もしも今の時代に一葉がいたら」と空想にふけったのだろう。「『のぼるな』と火の見櫓の残る町」郁子さんの句。一読して「火の見櫓」が懐かしい。冬の季語「火事」の副題だが、今や実際に使われているものはないかもしれない。むしろ観光地ではシンボルとして親しまれている。この句は山形県の赤湯温泉で見た「火の見櫓」を詠んだそうだ。下五の「残る町」に情感がある。(潔)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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